2015年4月4日土曜日

茶河鯛一(太一改め)


【自己紹介】
こんな名前の人はいません。




【冒険の記録】
9日
▼2
港のファンタジー編・
キングの章が横浜トワイライト編に取り込まれているとは露知らず、ハシゴする気満々で象の鼻テラスへ。
▼7▼75▼106▼117
《荒ぶる波》のイメージを入手。ゲームブックっぽい!
▼71▼53
人魚姫の像が角にあるレストラン。まだ11時前、客の姿は見えない。
▼32▼125▼80
シルクセンター。ちなみに八王子はかつて絹の産地として知られ、八王子と横浜線を結ぶ国道16号線は「絹の道」と呼ばれた、と八王子の中学で習う。16号のことを横浜側では「八王子街道」と呼ぶが、八王子側では「横浜街道」とは呼ばない非対称性。
▼6▼49▼65▼44▼58▼114
産業貿易センターへ。ダンジョンのマップ!ゲームブックっぽい!薬草屋(健康野草茶センター)と地図屋(ウェザーメディア)があるダンジョン。
▼91
旧イギリス7番館。創価学会の所有になっているようだ。紆余曲折があったのだろう。
▼76▼37▼51▼85▼121
ホテルニューグランド。回転扉が傘立てで殺されていた。
▼25▼132▼101
マリンタワーの前を通って山下公園へ。
▼96▼47▼138▼20
ステージの階段を上がり、せかいの広場を抜けて宝をゲット。実にRPG感あるエンディングだった。
▼110
「P」は気になったが、キングの章は横浜トワイライト編と異なり、ここから象の鼻テラスに戻って終わりなのだった。
▼50▼15
YCC。本当は横浜トワイライト編はここからスタート。港のファンタジー編はもうクリアしてしまった。寿町は後日でも行けそう。清水ヶ丘クロニクルへ。
▼120▼68
関内からブルーラインで吉野町へ。サンマー麺の店の前で足が止まる。
「昭和初期発祥の味にこだわってきましたが、お客様のご要望によりS30以後の味に変更」「大変喜んで頂いております。ぜひお試しに!!」何そのこだわり。
ちょうど一緒に入った別のお客さんが店主に質問。「へえ。サンマー麺ってこう(三生碼麺)書くんだね」そうしたら、戦後から平成まで、サンマー麺と日本の中華料理全般についての店主のうんちくが止まらない、止まらない。
YCCから直接清水ヶ丘クロニクルをめざす冒険者だったら必ず前を通るスポット。この店の存在は広めなくてはならない、という謎の使命感に駆り立てられ、店主に交渉、冒険の書を見せたら何かサービスして欲しいというお願いを快諾していただく。
▼137
日枝神社。横浜の至るところでちらつく吉田勘兵衛の影。
▼68▼17
南太田駅。清水ヶ丘クロニクル、スタート。
▼33▼38▼45
コンビニよりその前にあるおにぎり店が気になる。こんな(失礼)商店街で商売になるのか?
▼70▼79
それたくなる脇道が多くて困った。
▼83
ここまでずっとどうも片足が義足らしい男性の後ろを追うように坂を登ってきた。二の腕に装着するタイプの杖を両腕に着けた彼にとってこの坂はちょっときついように思える。
▼93▼98▼102▼113
「暗い道」でスラリとした脚の長い犬を連れた女性とすれ違う。横浜は犬も猫も多い。
▼126
公園の中に入らず、迂回するように外の道を進んでしまった結果、★のポイントにいっこうにたどり着かない。いっそこのまま順路から外れようかとも思ったが、引き返す。後から地図を見たら、あのまま進むと、数十分歩いてやっと西保土ヶ谷駅に着くか、というルートだった。危ねえ。
▼131▼136▼140
これはいいトンネル。光の加減がいい。
▼143
「…首都高速道路株式会社が掃除をしてくれました。この地域の潤いの施設…」
天邪鬼精神が働き、杉山神社から南太田駅方面に向かわず、井土ヶ谷駅方面へ。公園で見た地図にあった「井土ヶ谷事件跡」に寄りたくて。
▼141
井土ヶ谷駅。いつか入りたいと思っているチャイナ飯店は定休日。
とりあえず京急線に乗ってどこでこの日を締めようか考える。17時からののげシャーレの公演を予約しており、そろそろそっちに向かわなくては。
▼84
戸部駅。銭湯に寄る時間はない。この駅で降りた理由は「自動販売機に行く手をはばまれ続ける二宮金治郎像」の実物を見たかったから。

 11日
▼59
石川町駅。丘を登り、洋館めぐりをしたい欲求に駆られるが、寿町方面へ。
▼41
の罠は初日にのげシャーレでひなつさんに会って注意を受けていた
▼11
コトブキ滞在日記、スタート。
▼48▼66▼90▼139▼21
車椅子の老人の姿とデイサービスの施設が多い。寿町は福祉の町だった。
大手コンビニの店舗はない。商店は中国や東南アジアでよく見かけそうな、そんな雰囲気を漂わせている。
▼41▼77▼31▼120▼50
伊勢佐木町。羊系中華店Bはビルの2階にあった。定食系のメニューがあるかどうか外からはわからず、二の足を踏む。結局、入らずに違う店で昼食をとった後、KAATへ。
▼9
清水ヶ丘クロニクルへの誘導らしきパラグラフ。初日は不覚なことに見落とした。KAATの公演の終演後に寄ってみた。待ち合わせ用のブラックボードに「南太田で19」とある。シティーハンターかよ!
14日
▼128
のげシャーレの公演の終演後、急な坂スタジオへ。
恋愛問題集はいつでもどこでもできるようだが、現地で解かないとわからない仕掛けがあるかもしれない。
▼14
急な坂スタジオ。先客で男性の冒険者が1人。軽く会釈。
恋愛問題集の結果は「孤独の探求者」だった。悪かったな!特に何も仕掛けはないと思って帰ろうとしたところでゼクシィ横浜市とゼクシィの共同企画による特別編集冊子「LOVE YOKOHAMA」が積んであることに気がつく。だから「孤独の探求者」なんだって!
スタジオを出て黄金町方面へ。途中、Ingressのポータル群に誘われて野毛山公園に立ち寄る。
▼26
初音町の商店街を抜けて八番館へ。八番館の公演の終演後、夜の姿を見てみたくて伊勢佐木町方面へ。
▼77▼88▼8
羊系中華店Aは入りやすそうな路面店だった。しかし、同じ通りに面して並んでいる店がことごとく廃墟と化していることが気になる。8のビルは中には入らず。
関内駅に向かう途中、九龍城のミニチュアのような外観のビルがあり、写真を撮ろうと思ったが、怖そうなお兄さんが駐車場でたばこを吸いながらこっちを睨んでいたため、やめておいた。
15日
▼50
KAATの公演の終了後、この日は公開日だった県庁へ。
▼72
キングの塔直下の屋上へ。象の鼻が象の鼻たる由来がよく見える。
▼50▼111
大さん橋へ。世界コマ大戦が開催されている。コマ関係者が熱く技術の継承の大切さを力説していたり、コマと無関係のブースも出ていたりして不思議な熱気。
▼50▼15
BankARTNYKの公演の終演後、もう17時は過ぎていたが、まだ展示が残っているかもしれないと思ってYCCへ。
ちょうどいっくんたちご家族が遊びに来ていたところで、人見知りが発動、カフェでお茶だけ飲んでKAAT方面へ。
すると、途中にある結婚式場から新郎新婦が出てきてオープンカーに乗り込み、走り去っていく場面と遭遇した。ゼクシィの振りによるオチがこれだったのか。

 

2015年3月12日木曜日

小原光洋


【自己紹介】
横浜市在住。ビールっ腹。肩甲骨可動域の狭さが悩みの26歳。

【冒険の記録】
寝過ごして、スタートが遅れる。
自宅最寄駅にて偶然職場の先輩に出会う。
次の予定まで時間があると言うので、クエストに誘ってみて、共にYCCに向かう。
日吉で買ったという、いちご大福を手にいれる。

▼1
15時ころYCCに到着。冒険の書を手にいれる。
先輩は《港のファンタジー編》へ。自分は《清水ヶ丘クロニクル》へ。

▼15
YCCを出ると、どうも雲行きが怪しい。関内駅に向かう。
少し歩くとお腹が減ってきた。朝食・昼食を食べていないことに気がつく。

▼9
一度も使用したことのない関内駅9番出口前に到着。
他の出口に比べて暗い気がして、ダンジョンに入るRPGの主人公の気持ちになる。

▼46
駅構内のブラックボードを久しぶりに目にする。いつからか目にすることがめっきりなくなった。
小学生のころ、この掲示板で友人と遊んだ記憶がよみがえりそうになるが、書いた内容を一切思い出せない。

▼19
寺山修司の一文。この後の冒険を示唆すると、推測する。

▼68
吉野町駅に到着。雪が降ってきた。
サンマーメンを食べようと思い、交差点に向かうが、時間が遅く、休憩中とのこと。断念。

▼137
日枝神社に寄り道。鳥居前で、近隣住民が井戸端会議をしている。自転車のカゴに入れた玉ねぎがなくなったらしい。
「鳥居をくぐる際は一礼しましょう」と看板がある。一礼して鳥居をくぐる。初詣。おみくじを引こうと思うが、なさそうなので諦める。

▼17
南太田駅に到着。ある男が呑み屋を出て路地に消えていったらしい。
立ち呑み屋ころりん亭。立ち呑み屋といいながら、座席が完備。年配の方に優しい。
長居は無用。ビールを一杯ひっかけ、ある男の影を追ってみる。

▼33
路地を歩く。猫が見当たらない。猫に会うため、5分ほど待ってみる。こない。
猫好きなのに、猫がなついてくれない。ある男とは違うみたい。

▼38
和菓子屋、八百屋、喫茶店、肉屋を横目にコンビニに到着。
途中甘いものを買おうと思ったけど、いちご大福を持っていることを思い出し、思いとどまる。

▼45
コンビニでトイレを済ませ、ホットコーヒーを購入。
店員さんは冒険の書を見慣れているのか、赤い本を小脇に抱えていても全く動じない。

▼70
ドンドン商店街を歩く。とても良いネーミングだと思う。
いまは地下に潜ってしまったドンドン川も見てみたかった。

▼79
「ニューママセンター」の看板を発見。
もう「ニュー」とつく看板に新しいものはほとんどない。
その当時の「ニュー」さが伝わってきてかわいらしい。

▼83
ぐんぐんと坂道をあがる。途中何度か猫に出くわす。
足舐めてたり、あくびしてたり、ここにはゆったりとした時間を過ごす猫が多い気がする。

▼93
三叉路が一向に姿を現さないので、とりあえずまっすぐ歩く。
いろいろと誘惑が多いので、まっすぐ歩く事は難しい。

▼98
高校がみえてきた。こんな坂の上に高校に通ったら、足腰が鍛えられそう。
家から近いという理由だけで高校を選んだ自分を少し恥じる。

▼102
右手の暗い道を進む。

▼113
まっすぐ歩くとどんつきに公園がある。
冒険の書には公園に入らず左折と書いてあるが、そんなことはできるはずはない、カバさんの遊具がある。無類のカバ好きには難しい指示。
このカバさんは確かフランス出身。
日本各地の公園に住んでいるのだけれど、基本的に青。この子は結構珍しい赤。他に黄色の子も見た事ある。
舌の部分には内臓が書かれていて、そこに泥がついていてなかなかグロい。
この子をここに住まわせた人は結構なカバ好きだと思う。入り口におしりを向けている。
カバさんの魅力は端正な顔立ち、愛くるしい体型と、あげればキリがないのだけれど、おしりは最も魅力的な部分のうちのひとつ。水中にいるときにその魅力は最大限に発揮される。

▼126
清水ヶ岡公園に到着。天気のせいか、暗い雰囲気。
犬の散歩をする人、カードゲームをする子ども、テニスコートを修繕する人、となかなか賑わっている。

▼131
目の前にトンネルが現れた。大原隧道というらしい。不気味。中に入ると長さに驚く。
先にトンネルに入っていたお菓子の空き袋がかさかさと音を立てて遊んでる。
水道幹線路ならば水の音が聞こえるだろうと壁に耳を当ててみる。全く聞こえない。
出口付近で、水道埋まってるの、壁ではなく床か、とひらめき床に耳を当ててみる。全く聞こえない。
誰に会いたいか考えてみたけれど、誰に会いたいというより、白子ポン酢が食べたい。あと、あん肝ポン酢。

▼140
トンネルをくぐり抜けた先、「丘と川のジョイントプロムナード」の案内板のもとに、近所の住民のゴミ捨て場がある。
案内板に張り紙がところ狭しと貼られていて、字余りの短歌でゴミ捨てのルールを唄っていたり、「散らかったら誰が掃除しますか」と問いかけていたり。なぜ注意するとき関西弁になるのだろう。

▼143
ライオンの口から湧き水が出ている。
最初に口から水が出るデザインを考えたのは誰だろうと考える。
口はものが出るところではなくて、ものが入るところ。
そう考えたら、小便小僧の方がまだ健全。大便小僧とかなんでないんだろう。と思いながら冒険は終わる。

ライオンからすぐにある横浜水天宮・杉山神社に向かう。
鳥居の前で一礼してから参拝。
おみくじをひくと、「小吉」。なんとも言い難い結果。
空を見上げると晴れ間が差している。いつの間にか雪はあがったようだ。

南太田駅に向かい、冒険終わりの一杯をころりん亭で。
ビールを飲み、「珍味」と書かれた豚の角煮を頼む。
角煮を珍味と思ったことはないから、いったいどんな味なのだろうと期待していたが、でてきた角煮は普通の美味い角煮。
あまり柔らかくなく、醤油ベースの味付け。母が嫌がりながらつくる角煮にどこか似ていて頬が少しゆるんだ。








2015年3月5日木曜日

伊藤允彦


【自己紹介】28歳。男。日本人。普段は林業系の仕事をしていて、演劇にはちょっと遠いところにいる。
今年の夏、ある代替現実ゲームに参加し、物語を現実に実装することに興味を持つ。
冒険の書は横浜の街で僕にどんな物語を見せてくれるのだろうかと期待しながら、冒険を始める。


【  1】横浜都市創造センターで「冒険の書」を入手。
【 15】「象の鼻」という言葉に魅かれ、象の鼻テラスへ。象がいっぱいいた。
【  2】何となく座席に座り、一息ついた後、いざ冒険へ。
【  7】ドミノな気分だったので、謎のパネルをとぼとぼ辿ることにする。
【 75】思っていたよりパネルがたくさんあって一人笑う。怪しい人だ。
【106】象さんがかわいかったので、ここから脱出することに決める。
【117】磯の香りを感じる為に大きく息を吸い込む。むせる。
【 71】ふと人魚の像を振り返ってみると、まるで誰かを待っているように思えた。
【 53】カフェレストランは繁盛していて、どの席にも人がいる。どんな経緯でこの店にたどり着いたのだろうなどと思いつつ、先へ進む。
【 32】せっかくだから、普通入って行かないとこにいってみようと思い地下へ潜る。
【125】階段の途中にあった怪しげなシミに心を奪われる。
【 80】薄暗い照明。あまりお店の入っていない建物。ここは誰のための場所だろうか。
【  6】思ったより渡り廊下が短い。
【 49】迷う。
【 65】うっかりボタンを押し忘れ、知らない階にこんにちは。
【 44】明かりもなく、雰囲気のある通路。平日の賑わいに想いを馳せる。
【 58】建物から外へ。入る前と少し違った街に見える。
【114】県民ホールの前ではマーチングバンドの子達が写真撮影。少し気になり、ホールの中へ。椅子に座り人の流れをぼーっと見る。
【 91】ツアーバスを待つ若者達を横目に次の場所へ向かう。ここも観光地では、などと思う。
【 76】高級そうなホテルなので、入るのを少しためらう、ホテルこわい。
【 37】中庭が見つからない事件。それにしてもこの街は喫煙室が広い気がする。
【 51】なんとか噴水を発見。出口から入ってしまった気がするが。
【 85】噴水に手を突っ込む。冷たい。
【121】おしゃれなコンビニが見つからず、遂にgoogle先生に頼るも、先生は何も教えてくれなかった。
【 25】タワーも気になるけど、公園へ。
【132】地元で出会った方が偶然にも同時刻、演劇クエストで冒険に出ていることに気が付く。不思議な気分。
【101】船を眺める。地元とは違う海の景色。
【 96】わくわくしながら階段を登る。
【 47】公園内をぶらぶら探索。人は殆どいない。静かな場所。
【138】終点ではおじさんが楽器を演奏していた。いつもここで練習しているのだろうか。
【 20】おじさんの邪魔をしては悪いので、宝を横目に、物語を閉じる。




2015年2月28日土曜日

深野一穂


『演劇クエスト・横浜トワイライト編』冒険の記録(2015年2月21日実施)


自己紹介

 67歳男性で無職、リタイアしてから5年近くが過ぎた。
 何代遡れるか判らないけれど、少なくとも3代は横浜駅から南西に向かって徒歩20分ほどの住宅密集地に起居する。みなとみらい地区へも徒歩20分ほど、横浜駅とみなとみらい地区間も徒歩20分ほどだ。ゆえにこの一帯が私のゴールデントライアングル。関内地区を加えれば、行動の大半はその中で済む。
 未来都市を思わせる一帯だが、私の子供の頃は三菱ドックが鎮座し、その横浜駅寄りに小さな埠頭がいくつかあって、一角に大島航路の発着所などもあった。停泊する船の間でダボハゼ釣りなどした。
 激変する一帯には、古い物が残り、記憶にだけ残る物がある。そして、知らない物、新しい物も多いだろう。ぼちぼち探そう。冒険の旅に締め切りはない。思いついた時に出かければ、それで良いのだ!!!

写真

 001.jpg 番外:西中山常照寺裏山から関内・みなとみらい遠望
 002.jpg 140 :不気味なトンネル出口
 003.jpg 番外:井土ヶ谷事件跡

冒険の記録


017 京急南太田駅

 赤い表紙の『冒険の書』を手にして駅頭に立つ。駅前広場を眺めて目標の位置を確認する。

番外 西中山常照寺

 いきなりコースアウト、駅裏の常照寺の裏山に登ることにする。南太田駅を通過する利用客なら、丘上にある大きな像に気づいているだろう。そこまで登るのだ。
 大通りに面した山門を潜って京急高架を潜る。階段を登ると左右に下膨れ顔の持国天と多聞天の像を安置する四脚門、すぐに立派な本堂。
 本堂の右手からさらに登る。案内板により行く先が日蓮大聖人銅像公園と判る。最近はトレーニング不足で多少息がはずむが、目見当で標高50mほどの頂上に辿り着く。像の周辺は広場、墓地が隣接する。保土ヶ谷方面から張り出した丘陵の一角だ。
 南から北東に向けて視界は開ける。真下に南太田駅、視線を先に向けると首都高速の高架。見えはしないが高架の下に大岡川と中村川の分流点、脇に蒔田公園がある。360・70年遡れば、その辺りまで横浜の海が入り込んでいた。
 平地の向うに左右に繋がる丘陵が見える。正面が磯子方面、左端が横浜山手。二つの丘陵に挟まれた平地の大半は埋め立て地だ。すなわち、昔は目の前に広大な海が広がっていた筈、彼方に横浜山手側から突き出た砂州・横浜村も見えただろう。
 付け加えておこう。『演劇クエスト・横浜トワイライト編』は、概ねここから見える範囲内での右往左往だ。

017 京急南太田駅

 脇道もあるが、来た道で南太田駅に戻り、再び駅前広場に立つ。

033 

 広場左手の路地に入る。大通りに出る手前、喉が渇いたので傍らの喫茶店に入る。独立系の喫茶店は貴重だ。おばあさんが店主のようで、内装は古風、音楽は荒井由実か、いや松任谷由美の若い時だろうか。壁に押し付けるようにカバーの懸かったアップライトピアノが置かれている。長いこと弾かれたことがないようだが、華やかな時期もあったことだろう。
 コーヒーを飲み終わり、ようやく本格的な冒険の旅へ出発だ。

038 コンビニが見える。

045 コンビニを背にして右へ進む。

070 ドンドン商店街

 この商店街を歩くのは初めて、自動車で通り抜けることはたまにある。かって、日本舞踊の師匠であった義母を、この近所にあった大師匠の稽古場に送ったこともあった。はるか昔のことである。

079 ニューママセンター前分岐

083 坂途中の分かれ道

093 再び分かれ道

098 高校正門が見える

102 旧清水ケ丘高校前

113 高校周囲を反時計回りに進む

126 清水が丘公園

 大きな公園、中央部へ進むのは初めてだ。この辺りは丘陵の尾根筋、周辺の尾根は微妙に入り組みながら西から東へ延びる。東端は野毛やみなとみらい地区だ。正確には判らないが、大筋で言えば東海道に沿って流れる帷子川と、鎌倉街道に沿って流れる大岡川の分水界になる。
 いつもは西端に接する道路、すなわち浦賀道を歩く時に小休止のために寄るだけだ。かって黒船来航を知って浦賀に向かう坂本龍馬は、この地を足早に通り過ぎた筈だ。しかも真夜中に。詳しくは司馬遼太郎著「竜馬がゆく」を参照願う。
 『冒険の書』の略図に沿って進む。

131 不気味なトンネル前

136 不気味なトンネル

 築90年ほど、長さ250m余で馬蹄形断面、人が3人並んで歩くには窮屈そうな大きさだ。その割につくりはモダンで頑丈そう。内部の裾部分はタイルで覆われ、それより上は波型の鋼板で覆われている。当初仕様だろうか、後補されているのだろうか。入口脇に、2000年に横浜市認定歴史的建造物、2006年に土木学会選奨土木遺産に選定された旨のプレートが掲げられている。
 私が通過した時は人通りもなかったが、後日に通過した時は何人かとすれ違った。向うから影になった人が近づいてきて何事もなく行き交ったが、多少の不気味さを覚える。相手もそう感じただろう。

140 不気味なトンネル出口

 トンネルから少し進むと獅子頭から吐き出される湧水。起伏の多い横浜の地形は、丘陵の裾で水を吐出する。今も、知る限りで4カ所ある。ここを加えて5カ所になった。いずれも飲用には適さない。
 かって、横浜の水は船に積んで赤道を越えても腐ることがない、と小学校か中学校で教わった。水さえも誇りとされた時代があったのだ。人は進歩したのか退歩したのか、胸に手をおいて良く考える必要がある。

143 横浜水天宮・杉山神社

 立派な神社だ。何を願うでもないが拝礼をする。強いて言えば無病息災の感謝か。私は神社神道より原始神道に惹かれるが、都会には感謝を表す自然が少ない。
 手水舎に手水の使い方の案内がある。このところ整理が滞っているが、私のコレクション「手水の使い方」に加えよう。

番外 井土ヶ谷事件跡

 折角だから井土ヶ谷事件跡まで足を延ばす。横浜水天宮・杉山神社前の大通りを、右に進む。なお、左に進めば南太田駅に戻る。
 目の前の信号付交差点が横浜水天宮前、その次の南センター前を左折する。
 バス通りを200mほど進むと、名前なし信号付交差点に至る。右側を見ると20mほど先にY字型分岐、その一角に庚申塚や事件の概要を記した掲示板がある。
 井土ヶ谷事件とは、幕末期に発生した外国人殺傷事件の一つ、現場の地名をとって仮称したもの。文久3年9月2日(1863年10月14日)昼頃、井戸ヶ谷村字下の前でフランス士官カミュが浪人体のものに殺害された。カミュは事件翌日、現在の外人墓地に埋葬された。事件跡は、ここから東南へ約1町(109m)はなれた現在の南区井土ヶ谷下町3の辺り。
 バス通りを直進すると、蒔田橋で大岡川を渡り、すぐに現鎌倉街道に出る。市営地下鉄蒔田駅は近い。なおバス通りは古道浦賀道だ。反対方向に進むと清水ケ丘公園脇を通ってJR保土ヶ谷駅に至る。

017 京急南太田駅

 来た道を戻り、横浜水天宮・杉山神社前を通り過ぎて南太田駅に辿り着く。

 『きっちり足にあった靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。そう心のどこかで思いつづけ、完璧な靴に出会わなかった不幸をかこちながら、私はこれまで生きてきたような気がする。行きたいところ、行くべきところぜんぶにじぶんが行っていないのは、あるいは行くのをあきらめたのは、すべて、じぶんの足にぴったりな靴をもたなかったせいなのだ、と。(須賀敦子著 ユルスナールの靴 河出書房新社)』

 改めて冒険の旅に出よう。靴が足に多少合わなくても、まだ立ち止まる訳にはいかない。 (完)




2015年2月25日水曜日

YusukeTamura


【自己紹介】34歳、男。

【冒険の記録】

▼1
冒険の書入手。何と言っても天気がいいのは気持ちがいい。感謝。

▼15
YCC周辺。とりあえず歩いて行けるところをまずは行ってみよう、ということで、「港のファンタジー編」に決定。象の鼻テラス方面へ歩く。

▼2
象の鼻テラス。そんなに人も多くなく、落ち着いた雰囲気。まずは×印まで行ってみようか。

▼7
「港のファンタジー」っていうくらいだから港を調べる。

▼62
遊覧船は人が多かったので、橋げたの下かな。

▼42
一回決めたから変えない。ということで回廊。

▼28
天気がいいので、回廊にも陰鬱な感じはあまりない。(もともと無いのかもしれないけれど)

▼71
回廊を少々進みすぎたせいか、いい感じのカフェレストランがだいぶ遠い。あれかな?
ということで、得たイメージは「無限回廊」。

▼112
かつてあった話であり、またいつかあるかもしれない話。

▼32
地下までは行かない。(こっちでも十分怪しい気がするけど)

▼87
マニアックな店構えを脇目に十字路まで。

▼80
非常口。あれね。確かにちょっと大きいね。

▼6
小学校の時、養蚕家のクラスメートの協力でカイコの幼虫を飼育するという授業があった。持ち回りで家に持ち帰って、桑の葉を与えて様子を見るという今考えるとトンデモな授業で、家族からもそれはそれは大変な不評だった。他のバリエーションとして、「佃煮のためにイナゴを100匹捕まえてくる」という宿題が出たこともある。繭を茹でたところまでは覚えているけど、採った糸をどうしたのか覚えてないな…と、渡り廊下を歩きながら考える。

▼49
「ダンジョンのマップ」という表現、好きです。

▼65
急いでもないけど、とりあえずエスカレーターを降りる。

▼58
カードゲームの大会が開かれていて、大層な盛り上がり。建物を出る。

▼114
県民ホールではマーチングの大会が開かれている模様。楽器は吹けるけど、ジャンルとしてはあまり得意ではない。幸いいい天気なので、走らなくても大丈夫です。

▼91
公園に入って直進。天気のせいか、明るい表情の人が多くて何より。

▼76
ホテルニューグランド。祝開港156周年。いつも開港に感謝を忘れずに。

▼37
格式の高そうなホテル…見るだけですすみません。

▼51
中庭へ。

▼63
素敵な情景が蘇るよう。

▼121
おしゃれなコンビニ…確かに。

▼25
展望台は遠慮しておこう…

▼10
明るすぎる天気に不釣り合いな不穏さが迫る。

▼22
実は、山下公園に入るのは初めて。不気味な、はずのステージには熱唱するおじさん。不気味さ台無し。

▼40
獅子座とおとめ座がどれなのかわからず、全く別の方向へ…google先生のおかげで何とか。(聖闘士星矢とか、十二宮とか、そんなキーワードでひたすら検索)
「まっすぐ」ってあるんだから素直に進めばよかったのか。

▼138
これが…!

▼20
持っていけないからね。置いていくよ。

▼110
「P」のほうが面白そうだから降りてみようか。

▼73
駐車場が通り抜けられない!ので、ぐるっと回ってその位置まで降りる。

▼59
さて、ここはどこなんだろう?横浜では来たことのない位置にいるみたいだ。次は…名前に惹かれた「清水ヶ丘クロニクル」に挑むことにする。

▼120
山下橋から一気に関内まで踏破。ああ、こういう位置関係だったのか。

▼68
ブルーラインで吉野町駅へ。サンマーメン食べようかと思ってたら、お昼の時間は終わってました。残念。春の訪れを予感させるような空気の中、京急の駅へ。

▼17
京急・南太田駅。いくつか入れば良さそうな店もあるのに、こういう時に「入って選んで注文して食べて会計する」という一連の作業とそれにかかる時間を思うと面倒になり、「ま、いいや食べなくて」という結論になってしまうのが自分でもよくわからない。

▼33
和菓子、八百屋、肉屋と丁寧に辿って行く。

▼38
コンビニ発見。

▼45
コンビニは僕にとって初めて「労働」と「接客」を教えてくれた存在なので、個人的にとても感謝している。ちなみに前者をローソンから、後者をセブンイレブンで学んだ…というのはどうでもよくて、加温され過ぎたコーヒーを時間をかけて飲む。

▼70
ドンドン商店街を進む。「暗渠」って、魅力的な言葉だ。渋谷の地下を今でも流れるというそれがイメージに浮かぶ。

▼79
ニューママセンターを危うく見落としそうになりながら、先へ。

▼83
「背後にランドマークタワーが見えなくなった頃」まさにそのタイミング。高低差や距離感というのはこういう冒険にあって重要な要素だなと思う。

▼93
道二つしか無くない?とか思いつつ(本当は三つあるんだろうけど、)手近な方から登っていく。

▼98
ちゃんと高校の門が見えてきた。

▼102
何か左手のほうが暗そうだけど、右手のほうが暗いというから暗い方へ。

▼113
鬱蒼とした道に響く、高校球児の明るい声。

▼126
登り切って、学校脇を回り切った先の公園。徒歩で来るならこれで十分な運動になりそう。若干影が伸びてきた。

▼131
トンネル。比較的長い直線の先に、先行する冒険者が。

▼136
遠くに見える出口の光、直線の造形。自分の内部を通るようなこの道が、このクエストの山場になるのかと思った。半分は当たり、半分は外れることになる。

▼140
後ろを振り返ると、入った時とほぼ同じ光景。入り口でもあり、出口でもある。

▼143
湧き水の囲いの上で陽に当たる猫を撮る冒険者。

▼17
再び南太田駅。次は日ノ出町へ行こう。

▼128
日ノ出町の駅。大分人が多い。坂の上スタジオへ向かう。StripShowが本当にStripShowでびっくりした。正々堂々。

▼14
急な坂スタジオ。白いvin chaud(フランス語選択だったから)は初めて。先客二名が真面目な表情で恋愛についての問いに取り組んでいる。

▼3…
孤独+探求者認定。

▼128
坂を下りて再び日ノ出町駅前。時刻は4時過ぎ、最後のクエストにたどり着けそう。

▼120
関内まで歩く。僕が来ていた横浜というところは、あんまり横浜じゃないところだったんだな。通り過ぎるだけではわからないものだ。どこだってそうだけれど。

▼59
歩いて突っ切ることも考えたけれど、ここは電車に乗って石川町駅へ。

▼41
今回僕は寿町というのがどんなところなのか、ドヤ街というのが何なのか、一切の予備知識なしでこの冒険の書をポケットに挿し、この界隈に踏み込んでいる。
もしドヤ街というキーワードの一つも検索してから来ていたら、大分違う気構えでここに来たことだろう。

ローソンの角、「恋」の看板を目印に進む。普通の町に見える。
「石川会館」のあたりで「11」を見る。ああ、そういう事か。写真を撮るなというのも、「脱出」という言葉も。
もちろん、僕が何か認識したところで、何も変わるものはない。

▼11
ことぶき保育園前。向かいの公園ではよくわからない年齢構成の一団がサッカーをしている。全力のシュートがフェンスに跳ね返る。

▼66
むき出しの生活感。この一帯全体が一つの部屋、建物みたいに感じる。

▼90
開けた場所、不思議な閉塞感。ゆっくりと行き交う人の中、ガードレールに座って日記を通し読み。

▼139
しかし何でだろう、僕はこの雰囲気を知っている。間違いなく、どこかで体験したことがある。

▼21
それが何か明確に思い出せないまま、ESSOが見え、右手を行くと場外舟券販売所。

▼144
そしてちょうど17時。

象の鼻テラスまで歩く。

多くの人が行き来している。現実から離れて浮かんでいるようなみなとみらいを写真に収めて冒険は終了。




五十嵐 洋志


【自己紹介】横浜在住、青と白と黒の組み合わせが好きです。

【冒険の記録】

▼1.トークショーの後出発



▼15.自転車で移動



▼115.桜木町方面に向かう



▼128.野毛~日ノ出町~黄金町と移動



▼17.最初からコースは決めていた



▼33.ある男のストーリーにひかれる



▼38.こういう路地は好みである。ぐんぐん進む



▼45.昔はこの商店街も栄えたのだろう



▼70.初めて通る道は楽しい、この道はどこに繋がっているのだろう



▼79.ニューママセンターになかなか気づかなかった、この先にはなにがあるのだろう



▼83.バラック小屋の名残がちらほら、歴史を物語っている。



▼93.広い道をぐんぐん上っていく、自転車を押しながら



▼98.ぐんぐん



▼102.高校生とすれ違うわけだ



▼113.何となく右の道



▼126.夜道は危険



▼131.道に迷った、苦労しながらもたどり着けた



▼136,確かに不安なトンネル、歴史を感じる



▼140.色々と事件もあったようだ、このトンネル



▼143.トンネルをぬけてしばらく行くとこんなところに共用栓が



▼17.今回はここで終わり、次回に期待。


2015年2月23日月曜日

瓶ビール班長


【自己紹介】飲み歩きの日記を書いたり、core of bellsというバンドのメンバーだったり。

【冒険の記録】

▼1(2/12.14:53)
前日に飲みすぎたということもあり13時には到底間に合わず、15時前にYCCに到着。
「コトブキ滞在日記」へ。

▼15
天気が良かったのでとりあえず石川町駅まで歩く。


▼41
寿町エリアに入った瞬間「あ…。この辺は来たことがあったつもりだったけど、全くだ。これは予想以上の衝撃だ。」と思う。
まっすぐに「ことぶき保育園」は目指さず、クネクネ曲がりながら進む。
地図に記されていた「恋」も文字がどうしても気になり、店の前まで行く。
二日酔い気味で朝ごはんを抜いていたが、いよいよお腹が空いてきた。
良いお店があったら入ろうと、歩きながらアンテナを張り始める。
「めし にのみや食堂」というなかなか良さそうな定食屋を見つけるが意外と安くないのでやめておく。
寿町のど真ん中にはあまりお店はなく簡易宿泊所ばかりだった。


▼11
「浜港」という気になる飲み屋を発見し中をのぞいてみたら、おばさんに「なんか用かい?」とちょっと苛立った口調で言われ、「あ、、すみません…。立ち飲みですか?」と咄嗟に返答、すると「立ち飲みじゃない。」と一言で返され、再び「すいません…」と謝り、その場を立ち去る。
看板に「キンミヤ焼酎」の文字があった。


▼48
僕も昔は潔癖気味だったが、一人で海外を旅するようになってから、いろいろと平気になったのを思い出した。
しかし、温水プールの床に溜まった水などは今でも嫌で仕方がない。
つま先がそれにつくのが嫌で、できる限りかかとで歩く。
この簡易宿泊所の足ふきマットもきっと同じだろう。


▼66
大阪の西成を歩いたときもそうだったが、純粋な居酒屋は少なくカラオケがメインの居酒屋が多いな。


▼90
たくさんのおじさんたちが道端に座っている。
なかなかの光景だ。
“冒険の書”を持ちながらフラフラしていることにかなり抵抗を感じる。
直接的には視線は受けていない気がするが、確実に気配を感じる。
後ろから怒鳴られるかもしれない…など、変な考えが働き、自分の警戒心も高まる。
何も悪いことはしていないので当然何も起こらないのだが、まるで知らぬ海外の街を旅しているようなスリルを感じる。
角っこの酒屋で缶ビールでも買おうと思ったがやめておいた。


▼139
空き地に出る途中、おじさんたちがたくさん集まっている場所があった。
馬券上なのか、テレビをみんな見ている。
もし馬券に3,000円をつぎ込むなら、3,000円の高級なとんかつを食べたいなぁ、なんて考える。


▼21
ひとまず「コトブキ滞在日記」は終了。
繰り返しになるが、思っていた以上に衝撃的だった。
改めて夜に来たいとも思ったが、どうだろうか。




2015年2月20日金曜日

森麻奈美


【自己紹介】27歳の演劇関係者です。中学も高校も東京の学校だったので、どちらも遠足が横浜でした。
昨年末のシアターゾウノハナで演劇クエストのジャックの章をやって、今回二回目です。ジャックの章では死にまくりました。

【写真】獅子座・宝の石と高速道路・宝の石


【冒険の記録】
▼1 14時をけっこう過ぎてから時間外受付。YCCを出発。

▼15 とりあえず象の鼻が近いので、象の鼻へ行こうと思う。
 本能のままに(?)海と赤レンガを目指す。それで着くと思った。
水に寄せられてまず大岡川を渡って、それから汽車道を通って赤レンガまで行って…というルート。
結果遠回りのように感じたのであとで地図でルートを確認したら思った以上の遠回りだった…。
おかげでアートリンクのところを通る。アートとして飛び出ている窓の障子が氷みたいでキレイ。

▼2 14:40くらいに象の鼻パークに到着。テキストによると、地図のしるしの場所は小一時間でたどり着くそうだから、行ってみようと思う。

▼7  実は昨年末から気になっていた、象の鼻パークのドミノみたいなパネルのとこ。歌舞伎ドラマ『ぴんとこな』でやたら使っていた場所じゃないか、という疑いで…。
そういう邪道な理由で、選択肢はパネルを選ぶ方まっしぐら。75へ。

▼75 パネルに沿って走る。楽しい。

▼106 テキスト、「小さな子象が何頭か遊んでいる」と一瞬見間違えて焦る。「並んでいる」か。でもそう言われると遊んでいるのかもなーとか思ううちに出ちゃったので、117に行く。

▼117 時間帯の問題か、あるいはこの後の天候に関わる問題かもしれない。
テキストに書かれているような潮の匂いや海の音、カモメの声は一切せず、ただただ車の音が、激しい波のように轟いていた。
なんにせよ《荒ぶる波》のイメージは、確かに得られた(のかもしれない)。

▼71 象の鼻パークを出て、左折してひたすら歩く。
ナポリっぽい。有色人種の外国人集団とすれ違った。あれは一体何語だったのだろう…。
まるで海外旅行に来たようだ。どこにいるのかわからなくなる。
横浜自体は何度も来たが、異国情緒あふれるここを、きちんと孤独に歩いたことがあったろうか。

テキストに指示された人形姫の像を発見。まさかのコペンハーゲンのそれとまったく同じものが、陸に…。
人魚姫の像はコペンハーゲンのをみたことがある。あれもこれと同じように「え、ここ?」ていう場所にあった。
目につきにくくて近づきにくい波と岩の合間に、ちょこん。こちらは人と建物の狭間に、ちょこん。
どちらも孤独に感じるが、こんなに近くを日に何人も通るような、横浜の陸の人魚姫の方が嘆きの声をあげているように思う。
テキストを読む。1929年にできた建物。「ヒド(1)ク(9)フ(2)ク(9)ザツ 世界恐慌」と頭をよぎる。
そして、ここではじめてあのドミノパネルを選んだことが「物語の舵をとった」事実に気付く。
《無限回廊》、《狂った時計》。そちらだったらどうなったのだろう。
パネル選んだ理由のどうでもよさゆえに尚更後ろ髪引かれつつ、私は《荒ぶる波》の物語を進む。理由はどうあれ私が選んだ。

▼53 窓際のテーブル席には誰もいなかった。が、そこを片付ける若い女性店員さんと目が合い、びびって隠れてしまった。向こうからしたら不審人物だったと思う。反省。
 テキストを読む。1930年の、恋人たちの物語だった。
 「不況と数年前の大震災」という言葉に今を重ねる。
�荒ぶる波�がこの国の未来の暗示だったのなら、自然の声がきこえず車の轟きが荒く波立つ今の《荒ぶる波》は、さらにどんな未来を暗示しているのだろう。
 私が顔を見るべき女性は、いない。人魚姫は路地で憂い、窓辺のロンドン人形はあほっぽく外を眺めている。

▼32 信号を渡るとシルクの像。女の子の手に持っているシルクの質感がなんかすごくシルクらしくていい。ブロンズなのに。
英一番街をみる。一気に私が普段なら避ける雰囲気に。妖しい入口はハードル高い。87へ。

▼87 英一番街、お手洗いの前に養蚕の浮世絵が。へえ、と思い、見入る。貴族階級っぽいなりの洋装女性が働いている姿の絵が、浮世絵で描かれているのはとっても不思議な感覚だった。
そのまままっすぐ進む。

実はここで壮大なオーバーランをした(している?)。熊やら鹿やらの大首の剥製(首の長さが70cmくらいあったと思う!)を「わーすごーい」と見ながら反対側の出口から外へ出てしまったのだ。
 出たもののテキストに指示されている十字路がなく困っていると、大首剥製を扱ってた店の店員さんが出てきてこちらを伺ってる。またなんか不審人物だったんだろうか、私…。
十字路とはシルクセンターの中なのでは?と思い、中に戻る。
 戻って進むと…さっき浮世絵をみていた場所が87の十字路では?というオチ。そこには外国人さんがいた。

▼80 このパラグラフの指示に従うと外国人さんと同じ格好になる。
二人の間に「もしや…?!」という謎の空気が流れるも、私からすると彼がみていたのが赤い本ではなくスマホだったので自信がない。向こうからしても、たぶん私が「話しかけないで」オーラ出していたと思う…
私は先に、指示された非常口の方へ行く。外国人さんはしばらくスマホをみて考え込んでいたけど、なんか、ついてきた!?
どこの国の方かは存じ上げないが、日本の非常口マークがわからなくて困っていたのだろうか…。
ピクトグラムは世界標識だから可能性は低いけど、確かに海外で「ここ通れ」て指示だけだされたら不安になるドアではあった。というかここ本当に一般人通っていいのか?と私も不安になりつつ、半端な連帯感で外国人さんと無言で進む。

▼6 という緊迫状態のまま産業貿易センターに入ってしまった。入ってからパラグラフ6を読む。(ごめんなさい)
繭を振って、からから鳴るのをきいた。子供の頃、社会科の授業で。そのことを思い出す。
養蚕は私にとっては幼い頃から話に聞いていた昔の人の知恵で、繭玉の中に死んだ虫がいる事実が、私には、神秘的だった。出られない蚕を可哀想と思ったことは一度もなかった。
私は脱出する意思があるんだろうか…とうっすら気持ちが沈みつつ進む。

▼49 外国人さんと並走。

▼65 割と時間がなかったので、58。

▼58

▼114 ホール前のオテロのポスターをチラ見しながら、寒くはないが走った。二度の迷子タイムのせいで、そろそろ一旦停止しないといけなそう。
にしても象の鼻から考えると迷子は一回だけなので、「小一時間もあれば着く」は絶対嘘だと思った。このへんが小一時間。

▼91 旧イギリス七番館。ここまでだな、と思い本を閉じ駅へ向かおうとした。突然、激しい降りだし方で、雪。

▼144 雪の洋館、雪の港を振り返りながら、日常へ帰る。15:40。

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後日、同じ時間15:40から、
▼91から再開。

▼76 噴水は水抜きされていました。むなしい女神像…
なぜかはやくもイースターの飾りがあるディスプレイを楽しみながら、ホテルニューグランドに入る。

▼37 きれい。しかし時間帯のせいか閑散としていて、それがいっそう、震災後の復興にまつわるテキストをしみさせる。
 中庭へ向かう途中、ホテルのミニチュア模型とタイプライターなどの展示品があり、楽しくなる。
ミニチュアをみているとミニチュアの中を歩きたくなるのだけれど「このミニチュアは今私が歩いている建物のミニチュアなのだから私がこのミニチュアの中にいるようなもんだ!」とか子供じみたことを思っていて、
いっそうこの建物が人形の家のような虚構の建物に感じた。そうして、ミニチュアのような中庭へ。アリスの、小さなドアの向こうの世界に行くシーンを見るような感覚。

▼51 相変わらず曇天で、中庭には従業員が仕事モードで行き来する以外人はなく、寂しげだ。噴水も遠い昔の遺跡みたいに死んでる。
とにかく私は《荒ぶる波》の物語を進む。

▼85 噴水の澱んだ水を見ながら、テキストを読む。海を渡ってこの地へ来た男性が、日本の絹商家の娘とここで会ったくだり。
あの日途中で中断せずここまできていたら、あの外国人男性と日本人娘の私がここでかちあっていただろうな…と思った。なんか惜しいことをした。誰もいない。
私は一人で、寂しい空と白い壁と中庭とを見渡した。ここで、90年近く前にあった、華やかな世界を思いながら、曇った夕暮れをみていた。
 従業員男性二人が仕事の相談を噴水脇でしはじめたので、邪魔にならないようそっと立ち去る。

▼121 マリンタワーの現れ方はいつも心臓に悪いと思う。東京タワーやスカイツリーみたいにかなり手前から見えていてくれない。いつも「こっち行ってもないんじゃない?」て直前まで思わされる。ずるい。

▼25 のぼらず、山下公園へ。
▼132 山下公園。船に近付いてみる。

▼101 恋人たちの別れの物語のパラグラフを読む。
テキストの「許されざる者」という言葉がささる。地図の場所へ行かなくては、と一気に気持ちが急いた。

▼96 不気味な石のステージ。大きな口が滝の中からでてきて、地獄の入り口みたいだ。レビヤタン…?(←キリスト教写本で出てくる怪魚)
だけど気持ちは異様に急く。わりと駆けあがった。そうして、〈せかいの広場〉へたどり着いた。神秘的過ぎて立ち止まる。

▼47 水の女神の噴水は水が抜かれていた。ホテル中庭の噴水は死んだように澱んでいた。
せかいの広場の水の羅針盤はこぽこぽと水が沸き続け、十二の方向に流れ続ける。あの化け物の口にも降り注ぐ。
化け物へ通じる水の方をみつめれば、山下公園と港がみえて、恋人たちが、ちらほらみえた。こちらへ来るカップルもいる。
それから海をみて、テキストをみて、恋人をおいて日本を離れた語り手を思う。おいていった恋人になぞらえられた灯台は、ここからは、みえない。
このまま一気に印の場所まで行きたいテンポの展開だったが、ここで、事故。
 次の場所を示す目印の〈星座〉が見つからない。
獅子座と乙女座を見つける以前にそもそも十二星座が見つからない…。
 床のタイル絵は、星座ではないと思うのだが、無理矢理当てはめられるだろうか…といろいろ試す。しかしそれでできるものも並びがおかしい。
羅針盤の先(下に水が落ちるところ)に描かれている絵が魚らしきものなので、そこが魚座か、もしくは半魚状態の山羊座のはず…だが、どちらでも双子座までの数が合わない。
かなり悪戦苦闘。この間二組のカップルが来て、去った。
もうどうにもならない、とあきらめて、適当に一本道を決めて進んだら、—
—わ、双子座だ!と星座発見。
端へ行かなければ見えない落ち窪んだところに描かれていた…
双子座、蟹座、とくれば次が獅子座。そして乙女座。
なぜかスタートのうお座の前に一匹蛇が描かれていたりする。なぜだ…。と少し観察しつつも、行かなくてはと感じた。
どうでもいいが私自身が獅子座だったりする。ので獅子座を記念に写真にとった。私の分身。
獅子座と乙女座の間を進む。

▼138 完全に遺跡を巡るような体感で、トンネルをくぐる。恋人たちの居る港の空間から一気に緑生い茂る奥地に来た感覚だった。
待ち合わせのしるしの場所、宝の石にたどり着く。
ここで待っていた女性、ここに待っている人がいると知りながらあの港から立ち去った男性、そして現在ここに遊びに来て落書きをするいくつもの恋人たち。
テキストの物語と風景に後押しされ、宝の石の落書きに神秘を感じた。
「なんなら私の中高の遠足のときにクラスの誰かも書いてるんじゃないか」ぐらいの卑近さがありながら、神秘的だった。
すぐ後ろを高速道路が走っていて、最初の象の鼻パーク脱出時と同じ「車の轟き」が聞こえ続けていた。
「forever love」という可愛らしい文字を見つめる。異様に遺跡っぽい。
 持ち帰るわけは、ない。

▼ 20

▼144 地獄めぐりと言うにはあまりにも美しい旅だった。16:59。ちょうど冒険を終える時間になるところ。

 帰りに山下公園を久々に歩くとカップルばかり。しかしどの恋人たちも微笑ましい。
 信じられないことに、私が会いたかった人から連絡が来ていた。連絡を返し、そのままの足で彼に会いに行った。
 指定された港の喫茶店へ行くと、その人が、待っていてくれた。
この日ほど誰かが待っていてくれることを有難く思う日はなかったし、会えることをしあわせに思う日もなかった。




小谷慎太郎


【自己紹介】
年齢:38歳
性別:男
職業:川崎市在住のサラリーマン。
演劇クエスト初参加。知らない横浜を歩き回ります。


【冒険の記録】
▼1 ウキウキで11:45 YCC出発。

▼15 港のファンタジー編やらないとねとゾウノハナテラスへ向かう。日差しが暑いと思ったけど、屋形船の辺りまでくると風が冷たい。赤レンガ前のスケート場はすごい人だかり。あれで良くすべるわ。

▼2 結構な距離があるなと思いながら×を目指す。

▼7 ドミノを調べる。ゾウノハナシアターの時の暖かくないヒーターね。

▼75 パネルに沿って進む。ここで寸劇が始まる、なんてことはなかった。

▼106 子象の表情は1頭毎に違う。ここから出よう。

▼117 今日は風向きであまり潮の香りはしないけど、荒ぶる波のイメージを手に入れた。

▼71 ここの交差点の雰囲気はいい。

▼53 お昼時だからお客さんで溢れていた。窓際に座る老夫婦は幸せそうにおしゃべりしている。ここからどんなストーリーとなるのか。

▼32 シルクセンター初めて来た。ここは迷わず妖しい地下へ。

▼125 地下はなんだか少しカビくさいような。。あの壁のシミ何なんだろう。

▼80 確かに非常口マークでかい! しかし、1階も妖しげなお店多いな。

▼6 蚕の一生って。。

▼49 産業貿易センターを進む。
お腹が空いたので中華屋さん たみやでランチ。肉みそ半ラーメン定食。おばあちゃんの耳は遠い。人通りもなく、BGMもなく、お客さんもしゃべらない。そんな静かな寂れた中華屋さん。

▼65 エレベーターで2階へ。寄り道するよね。

▼44 旅行グッズ店があるみたいだけど、く、暗すぎるぞ。ちょっとドキドキしたけど、端まで行って戻る。こんなとこにパスポートセンターあるのか。

▼58 建物を出る。冒険の書を持った人がいた。ちょっと会釈する。

▼114 表に出ると海風が寒い。さっきの人も進行方向はおなじようだ。右手にモントレー横浜。自分の結婚式もモントレー。あれから14年が経つ。

▼91 旧7番館。歴史のある建物だ。

▼76 ホテルニューグランドへ。え、入るの?

▼37 ブライダルフェアをしているらしく大勢に迎えられて焦る。

▼51.85 たくさんのお客さんをかき分けて中庭へ。新郎新婦が幸せそうだ。

▼121 おじゃましました。

▼25 このタワーって何タワー?神戸のポートタワーに似てる。

▼132 山下公園へ。
靴に続いて靴下まで脱ぎだした激しい駄々っ子がいる。ウチの子はこういうのなかったなぁ。

▼101.96 確かに不気味なステージ。

▼47 星座?ちょっとウロウロ。

▼138 ちょっと迷いながらもやっと宝にたどり着いた。これ持っていっちゃいかんよね。

▼20.110 階段を降りてみる。行き止まりかと思って焦る。駐車場を抜けたらちゃんと出られた。

▼73 あかいくつ劇場からクエストに復帰。

▼59 どこへ行こうか。ちょっと悩んで寿町へ向かう。中華街のイメージしかなかったけど結構いろんなお店がある。パンケーキ屋には大行列が出来ている。
川向こうに洒落た店が多いと思ったら、元町だった。元町のすぐ近くに中華街があるのは神戸も同じ。なにかいわれがあるんだろうか。

▼41 寿町に入る。撮影禁止と言われるとドキドキする。
ひと気はあるのだか、それまでとは明らかに空気が違う。考えすぎだろうか。

▼11.48 保育園前冒険の書を読んでいると、公園の端に数人のおじさんが腰掛けていた。何を言われる訳ではないが、なんとなく威圧された感じがした。

▼66 向きはこっちでいいんだろうか。夜でなくても怖いと思う。

▼90 そのシチュエーション怖いと思いながら進む。しかしこの町は自転車が多い。

▼139 昼間から陽気なカラオケが聞こえる。全然明るい気持ちにはならないが。

▼21 寿町探索終了。ふぅ~っと一息つく。

▼41.77 寿町から伊勢佐木町方面へ。自分がどこにいるのかよく分からなかったが、大した距離では無いようだ。名前が気になる8のビルに向かう。

▼8 外観すごい。恐る恐るビルの中へ。明るかったから良かったけど、本当にダンジョンだよ、ここ。店に入る勇気はないなぁ。。

▼77 野毛方面へ向かう。

▼128 急な坂スタジオへ。
やたら人が多いと思ったら動物園があるのね。初めてこの坂登ったわ。結構きつい。クエストの始めのうちに来るべきだったか。

▼14.3.82.116.123.27 愛され上手らしいです。(ワインが頂けず残念)

▼14.128 日ノ出町から京急に乗って南太田へ。

▼17 初めての南太田。立ち飲み屋は定休日。

▼33 冒険の書に導かれるままに探索してみる。

▼38.45 日差しが暖かいのでコンビニに寄らずに進む。

▼70 少し寂れた商店街を進む。

▼79 また上り坂。結構キツイ。

▼83 この辺りにもそんな歴史があるのか。

▼93 分かれ道ってどれ?とりあえず大きな道をそのまま進む。

▼98.102 時間なのか左手のほうが暗く見えるけど、右手に進んでみる。

▼113 横浜にこんな場所があるのかと思わせる道。ある男のエピソードが重い。

▼126.131 公園ではたくさんの子供達が遊んでいる。最近は子供達を公園に連れて行くこともなくなったな。

▼136 トンネルを進む。
長いトンネルってなんか違う世界に続いてる感じがする。
誰に会いたいか?家族に会いたい。

▼140 トンネルは結構明るいからか、それ程陰湿な感じはしなかった。昔住んでいた社宅に通う途中にトンネルがあったが、そこにはきっと何かがいた。思い出すと少しゾッとした。

▼143 獅子の湧き水の横で猫がないている。冒険の旅を見送ってくれているみたいだ。