2014年12月22日月曜日

山本雅幸

【自己紹介】33歳、男。俳優。日本人。川崎市在住。
2歳3ヶ月の息子をパーティに加え冒険に参加。目標は「無理をしない」。


【冒険の記録】
▼1
受付終了間際の13時、冒険の書を手に入れる。

▼150
旅立つ前に腹ごしらえと、つくってきたサンドイッチを、映画館の2階、売店前で食べる。
売店の方々が家族経営っぽくて、気になる。14時になって、やっと出発することにする。
(今読み返してて気付いたけど、14時までに次の目的地に行け、って書いてあるのね・・・。)

▼121
たくさん歩けそう、という理由で▼121の本牧山頂公園を選択。
息子、山頂へと向かう道の枯葉がたいそう気に入ったようで、両手に抱えてほうり投げたりザクザク音を立てながら歩いたり。
レストハウス到着が14:45ごろ。しかし、そこには誰もいない。管理室っぽいところを探すも鍵がかかっている。もしかしたら別の場所か、とさらに坂を登って地図を確認するも、何も見当たらず。
途方にくれてどんぐりを拾ったりしていたら、ラジオで、大音量で競馬の結果を聞いているおじさん(50代後半)に遭遇。もしやこの方がアイテムをくれる方かと、冒険の書を目立つように持ちながら、目を合わせに行く。
・・・違った。かなり目が合って、気まずい。
と、レストハウス前の見晴らしの良いところに、冒険の仲間を発見。彼はすでにほかの場所でアイテムを入手して、色々巡ってからここに来たとのこと。次の地へ向かう彼を見送り、ちょっと座って休もうと、レストハウスへ。
すると、店員ぽい方を発見!無事に方位磁針と記憶のカードを入手する。

▼76
丘に飛ぶラジコン飛行機を眺めながら移動。南東の本牧神社へ・・・向かったつもりだったが、方角を間違えて神社には出れず。公園出口でうろうろしていると、息子の「うんち」の声。
頂上公園のトイレは遠すぎる。その辺の茂みで、とも考えたが、耐えられそうなのでトイレを探しに。しばらく走ると小さい公園を発見!トイレは建物の中にある!
用を足して落ち着いてみると、そこは公民館と図書館が併設された建物。ここも楽しそうだが、すでに15:30を回っている。
本牧通りへ出て、とにかく最初に来たバスに飛び乗ることにする。

▼106
三渓園に行きたい、と思ったが、息子が就寝。あきらめて終点まで行くことにする。自分も、うとうとしているうちに到着。
降りるのが面倒くさくてこのままのっていけないかなあ、と運転手さんの様子をちらちら伺うも「終点ですよー」の声。寝てる息子を抱えて降りる。

▼15
本牧車庫。営業所の中へ。入り口を間違え、「事業所」(?)のあるところへ。
中から40代後半のまるっとした男性がにこやかに出てきて、遺失物管理所の場所を教えていただく。

▼100
遺失物管理所。「返還後の山頂公園の記憶」を手に入れる。
「起きたら坊やにあげてね」と、バスのシールをいただく。
その場にあった椅子に腰掛けて、しばらくぼんやり休んだのち、元町方面へ行くバスを教えてもらう。

▼105(?)
ほとんど今日来たルートを遡って、バスが進んでいく。

▼175
息子は車内で起きた。「元町」のバス停で降りると、
目の前にピザ屋がある。昼食以来、おやつなど食べていないことに気付く。
その辺で食べようと思ったが、あんまりいい場所がなさそうなので、お店の中で食べさせてもらう。1切れ(350円くらい)を息子と分け合い食べる。
店に流れていた"National Geoglaphic"の、日常を科学実験する、みたいな番組で高速のトマトが壁を突き破るのを見ながらエンディング。

2014年12月10日水曜日

阿部太一

【自己紹介】デザイナー。世田谷在住。本牧に来たのは今回が3回目。
演劇クエストは2回目。


【冒険の記録】
先ずはせせらぎ公園のメリーゴーランドを観に行く。寒空の下ここだけ空気が柔らかい。
今回は1人でなるべく普段の自分が行かなさそうなコースを行く事に決める。
17:00〜はジェコを見るので根岸方面に何となく向かおうと思う。
▼121(13:00頃)
山頂公園を目指してずんずん歩く。景色はいいが天気はあまりよくない。
レストハウスで係の女性から《アイテム》をもらう。
椅子に微動だにせず座っているおじさんがいる。
(演劇クエストを始めるとこういう人がやけに気になる)
▼108
どんぐりの丘を越える。人はまばら。
ここは掃除がされていなく道に落ち葉がつもっていて、結構滑る。
葉っぱの湿気がスニーカーに染みてくる。
小高い丘から住宅街に続く小さな階段を下りる。
▼108
細い路地をぬけて小学校の校庭の脇を通る。
野球部の練習が終わったようで、生徒がグラウンドに礼をさせられている。
こういう一見無意味で儀礼的なことの必要性を昔は分からなかった
でも今は少し分かる。年をとったな。
▼61
謎の研究所着。
《アイテム》は既にもらっていたのでここではもらわない。
赤い冊子を持った女性が向かいから来たので、会釈するも微妙な表情で返される。
「同じ冒険者でも決して仲間というわけではないんだ」と気持ちを強く持つ。
本牧通りから105系統で本牧車庫を目指す。
三渓園のバス停の近くで、所謂ギャル的な格好をしたおじいさんが、ペルパーらしき人に付き添われて歩いているのが見える。
前から来るおばさん達の顔に緊張の色がさす。あのおじいさんは人生で今が一番自分に正直なのだ。
▼100
本牧車庫に入る。営業所で係の人に恐る恐る冊子を見せるとあっさりと笑顔で質問の答をくれる。
バスが入ってくるのをしばらく眺める。
▼221
バスに乗り、根岸七曲がり下バス停で下車。
広い通りの向かい側の大きな家の植木をおじいさんが切って、小学生くらいの孫が葉っぱを集めている。
こちら側には新しい分譲マンション。敷地内の公園で、お父さんと赤いコートを着た幼児が遊んでいる。
3〜4歳くらいの女の子に赤いコートを着せるとこの世のものではないかわいさを発揮する、と思う。
七曲がりに挑戦するべく道を進む途中、レトロな床屋を見つける。
周りから連続性を失いぽつんと残っている姿から消えた風景を想像してみるも、中の店主と目が合い気まずい。
▼110
七曲がり坂の下。道路から少し高い所に建っている家の庭と下の道路との間で2人の少年がバトミントンをしようとして、失敗しつつ何度も挑戦している。
横目で見つつ坂を上る。2/3くらい登ったところで、カメラのフィルムを換えるため階段に座る。
目下の家並みから視点を起こすと根岸線の線路、高速の高架、その向こうには工場地帯、その奥には海。雲が少し開けて夕方前の黄色い日が漏れてきた。
大きな工場からは一定間隔で白い煙が盛大に上がる。下では少年たちがまだ頑張っている。
▼182
坂の上は落ち着いた住宅街(少し高級な感じ)。
コンパスも地図も見ないで根岸公園に向かおうとして足を進める。
案の定住宅街で迷う。多分、迷いたかった。住宅からピアノの音。少し退屈。
散々うろうろしたあげく、坂を降りて行ったら山手駅に着く。
お腹が空いたので、高架下の天然酵母のパン屋でパンを買う。
1つ1つのサイズが小さかったので幾つか買ったらコーヒーも入れて1000円弱!
食べる場所を探してうろつくも見つからず、駅前の喫茶店でハンバーグセットが1080円で本気でこれにしておけば良かったと思う。
結局立野小学校の裏の階段に腰掛ける。だんだん暗くなってきた。家路に向かう小さな子供を連れた夫婦が目立つ。
今頃いつも遊ぶ公園から帰る時間だと、我が娘の事を思い出す。お父さんは今、階段に座ってクルミの入ったあんぱんを食べているよ。
コーヒーは既に冷めている。
ジェコが近いので反則かなと思いつつ、山手から根岸へ電車で向かう。
右手の車窓から一時間ほど前に歩いた、七曲がり坂や降りたバス停が見える。目を凝らしてバミントン少年を探したが見えなかった。
植木のおじいちゃんは、まだがんばっていた。孫はもう家に入ったらしい。
根岸駅。駅前は何の変哲も無いロータリー。
横断歩道を渡りながら、演劇クエストが終わるのを感じる。
ジェコの集合時間まで近くの公園のベンチで時間をつぶす。
1人の少年が片手でカラーボールを上になげ、プラスチックのバットで打とうとしている。ヘタで全然打てない。
近くのベンチにいたサラリーマン風の男性が近づき、コツのようなものを教える。
結果ホームラン。少年は公園の外に飛んだボールを追いかけ消える。
先程のサラリーマンは同僚との会話で気付いていない。
時間が来たのでジェコのバスに乗る。
ジェコの後、本牧通り沿いの角打ちに行き、ライブの間まで飲む。
焼酎をトマトジュースで割りそこにタバスコを入れる飲み方を常連さんに教えてもらう。目がチカチカする。
そういえば▼200を見るのを忘れてたと思いつつ、そのまま酔っぱらう。


【写真:どんぐりの丘、バスの中、階段の上】


深田隆之

自己紹介 映画を作っています。


 ▼1
13時少し前に映画館へ。ちからさんとおちさんに挨拶してから冒険へ出かける。
↓▼183(映画館の声を聞きつつ移動)

▼187
自らフィクションを作り出すという言葉に惹かれてこの道へ。同じ感覚の人が多いのか、人が数人。途中、ケンタッキーの入った建物が目に留まる。一見して普通の建物だが、中を通ると中庭のような吹き抜けが現れた。中庭というのは少し優しいかもしれない。空洞という言葉の方が似合う。地下1階にあたるフロア全てにお店がなく、完全にデッドスペースになっていた。階段を下る自分の足音がいやに響いてしまう。
地区センターでアイテムを受け取ろうとすると、ちょうど職員の方が別の職員に今回の企画を説明していた。職員さんが演劇の登場人物になる直前を見た気がする。

▼38
地区センターの1階では子ども達が勉強したりゲームをしたりしていた。
体育室から出て来る子どももいる。
男の子達がゲームをしようとすると、職員の方が音を出さないよう注意していた。少ししつこいくらいに。男の子達はゲームをしながらそれを聞いている。
自動販売機で飲み物を買おうとすると、DyDoのフルーツミックスネクターが。
部活の時にやたらと飲んだ飲み物。なんだか懐かしい気分に。

▼128
どこに行こうかと迷いながら戻る。

▼171
コミュニティハウスに行く途中、編集者のOさんに出会う。たまたま同じ方向へ歩いていた。飲みかけのアイスコーヒーを持ったまま歩くOさんと中学校へ。
ここは昔だいぶ荒れていた、という話をOさんから聞く。今はそんな影まるで感じない。

▼207
つい本棚を探してしまう。が、目当ての本は近くにあった。他の冒険者さんが教えてくれる。Oさんは廊下にあるご自由にお持ち帰りください、コーナーから1冊本をもらっていた。

▼171
Oさんと、海側へ行こうということになり、一緒に海側へ。Oさんはテクストの道を探そうとするが、自分はとりあえず海側へ出れば交差点も見つかる、と促す。海側の大通りに出ると大きな高速道路が視界を埋め尽くす。その割に、歩道は緑が多く気持ちがいい。

▼10
空中都市をイメージしているのか、たしかに”橋”がやたらと目立つ。しかも全て古びている。後から思ったことだが、昔写真で見た老朽化したコルビジェのモダニズム建築みたいな。
Oさんと別れ、引き返してみる。

▼48
せっかくならワープ!とバス停へ。

▼101 99
理由なく根岸方面へ。どこで降りるか、という迷い。

▼211
大きい通り、すぐ隣には工場地帯。そしてそびえ立つ崖。なんだか途方のない場所へ来てしまった、という感覚の方が先行する。来る途中に見えたイス屋が気になっていたが、とりあえず回遊しようと思い、七曲がりへ。
冒険によくあることかもしれないが、後で行こうと思ったイス屋には結局行くことはなかった。もしかしたらもう目の前を通り過ぎることもないかもしれない。

▼110
坂のふもと。兄妹が家の前の枯れ葉を掃除していた。昔祖母の家でしか見なかった木の枝でできた帚を妹が持ち、体全体で動かしている。兄はちりとりで葉を集める係。じゃんけんでもして、決めたんだろうか。地面に沢山落ちる葉っぱがきらきらと輝いて、日差しの強さと寒さが同居する冬の夕方。夕方といっても14時頃。

▼182
コンビナートの風景が夕日と一緒に見える。コンビナートから出る煙をぼうっと眺める。もう少し上の方に行けばもっとよく見えるかもしれない、とさらに上の方へ行くと木の枝が邪魔して見えない。引き返す気力もなく、最後まで登りきる。

▼57
横浜倶楽部のそばでアメリカ空軍のような帽子とサングラスをかけたおっちゃんがイスに座って電話をしている。おじさんを横目に不動坂を下る。

▼202

▼160
ふっと、ここだけ違う風が通り抜けているような階段。だいぶ昔に作られたのだろうか。登り坂で自転車を押す若い女性とすれ違う。ゆっくりと階段を下りていく。

▼63
ここでお腹がすき、休憩。大通りに戻り、どこで食べようか迷っていると、間門のバス停の側に「明華」という古い中華屋を見つける。なぜかその時だけ、パイコーハンという言葉が目に入り、それを目当てに店に入る。おばちゃんが奥のテーブル席に座り、新聞を読んでいるが中断していらっしゃいませと呼びかけて来る。
足が悪いのか、片足を少し引きずりながら厨房へ入っていく。もう一人、厨房に人がいるようだ。お茶とお水が同時に出され、ピッチャーも出される。そりゃ歩きたくないよね、と思いながら他の冒険者のツイートを見てみる。ソーシャルな演劇、という言葉を思いついたのは、もっと後になってから。
パイコーハンは量が多く、900円。すごくうまい。
お店に故障中の古時計がかけられていた。時刻は8じ55ふん。と同時に新しい時計から秒針の音が聞こえる。選挙カーの演説が大通りを通り過ぎていく。店の中は薄暗く、静か。
なぜかこの古時計が気になった。
後から考えてわかったことだが、きっと今、この古時計だけが自分の時間を所有している気がしたからだ。今自分はものすごく広範囲な演劇の中にいる。何人いるかわからない参加者/登場人物の中で共有された数時間は、大きなスケールとごく個人的なスケールを同時に持ちつつ確実に終わりへ向かって進んでいるのに、この時計だけが自分の時間を持っている(ように見えた)。夜か昼かわからない8じ55ふんのこの時計がこの演劇の中で唯一時間の進行を拒否しているように感じたから、きっと気になっていたんだと思う。なんだかうらやましかった気もする。

▼190
↓バス停不動下。冒険の書にあるはぐれ狼という名前に惹かれて103系統へ。
▼103
はぐれ狼は本牧のメインの通りには行かないらしい。どこで降りるか迷いながら、
結局麦田町の近くである山元町1丁目で降りることに。
多分降りた理由は、「黄色いハンカチ」企画の旗を見て自分の知っている場所に来た安心感があったから。

▼193
麦田町の取材で何度か通っていた山元町(大谷家電の取材などで来ていた)。とりあえず冒険の書は見ずにそのあたりを歩いてみる。
歴史を感じる商店街だが、活気、のようなものは薄いかもしれない。
そのまま歩くと「打越橋」が見えて来る。「と」のWSでも行った身近な場所。
なんだかあまりにも自分に近いところに来てしまったので、もう一度山元町へ戻る。

▼132
一度通り過ぎたフライ屋。どうしても気になってアジのフライを頼み、店頭の椅子に座って待っている。そろそろ冒険の書を開こうと見てみると、明らかに自分の後ろにあるフライ屋らしき「声」が載っている。なんだか問題に正解したような気分になりながら、アジフライをいただく。
ソースいる?いります。という会話がなんとなく恥ずかしくなる。
確かににんにくが効いていて、HPは回復される。

▼164
とにかく裏道を今日は行こう、ということで1本違う道へ。
おかしなお寺の建物があり、倒れそうな外観?門?。
その横から珈琲の良い香りがして少し覗いてみる。珈琲が飲めたらいいのに、と思って入ると、
少し頑固そうな店主さんからここでは飲めないと伺う。小学生の絵がいくつか飾ってあり、この人は結構子どもに人気なのかしらと思いつつ、珈琲店を後にする。
【50】を読む。

▼172
こんな場所があったのか。
誰も知り合いのいないお墓に入る時というのは、なんとなく知らない家に勝手に上がり込んでいる気持ちになる。別に怒られるわけでもないのに人の目を気にしながら、散歩。足音を消してみたりする。夕暮れのお墓はしんとしている。

▼138
冒険の書にあった場所に行けたのかどうか、正直わからない。
ただ、随分と細い道を歩いたり、住宅街を歩いたり、散策してみる。
途中、入り口の天井がはがれた建物を見つける。

▼193
そろそろ冒険も終わりの時間になっている。
そういえば編集者Oさんとは、夜に会えたら、と言い合っていた。
どうしようか。なんだかいつもと比べてそんな選択も特別な気がしてくる。
結局本牧へは行かないことにする。きっと夜はまた楽しかったんだろうな。とバスの中で思いながら。

▼103
はぐれ狼は麦田町の青年会館の横で停まる。ここに今年何回来たんだろうか。
「演劇クエスト」と自分の仕事領域がつながるとは。
バスは馴染みの麦田トンネルを抜け、別世界へ連れて行く。
元町で降りて終演10分前。
自分が知り始めたディープな横浜の風景は、もうそこにはない。
今からどこか、さもエンディングにふさわしい場所に行く時間もない。
キラキラとした元町で、徐々に現実に近づき、終演を迎えた。

END





2014年12月3日水曜日

武田力

【自己紹介】
良い意味でも悪い意味でも、「なんとなくで生き過ぎだな」
と思う31歳。前回のクエストにはパフォーマーとして、なんとなく参加。


1. 自宅最寄りからバスに乗り込む(市内在住)。車内で一日乗車券を購入しようと、その意思を運転手に伝えるが、「そんなものはない」的な表情を一瞬される。日常乗らないバスは想像よりも遅く、受付〆切である13:00には着かないだろうことを確信する。前回のクエストでは、観客の遅刻は厳禁というか重罪であったので、道中怒られるのではないかとビクビクする。13:15くらいに映画館に到着。演出家の表情は穏やかなものであった。その安心感もあってか既に勝手知ったる作品の説明をニヤニヤしながら聞いてしまう。手渡された赤い本を開くと、さっそく寺山修司の引用で、さらにニヤニヤしてしまう。

150. 外は秋晴れ。遅刻した分を取り戻そうとなぜか走り出す。

7. バス車内で可愛い女の子が赤い本を右手に持っていて、テンションはさらに上がる。赤い本が目印というか象徴的でいい。彼女とともにバスを降りた「本牧一丁目」で赤い本を持つ演劇センターFの市原さんと出くわし、抱擁する。

61. 「不思議な研究所」メリーゴーランド研究所。確かに不思議で、とても素敵で驚く。こんなアトリエが欲しいと切に願う。思わずトイレまで覗き込む。堪能したのち、61.のパラグラフをようやく読む。横濱競馬場の馬房であったことを知り、テンションは振り切れる。そもそもわたしがはじめて書いた企画書は、その競馬場内に廃墟として佇む一等馬見所を野外劇場にするという案であった。市役所に足繁く通った記憶が蘇る。そして、多くの方に多大な迷惑をかけたことも同時に思い出す。もう一度研究所に戻り、その名残を探す。

43. 赤い本を持つ、あの女の子はもういない。コンパスの使い方もイマイチわからない。若干混乱している。

105.112.167. 山手駅へ、商店街を抜けていく。古風な商店街で落ち着く。

75. YC&ACへと山をのぼっていく。ゴミの捨て方は英語表記。多国籍なコミュニティで遊ぶ子どもたち。環境によって人生はずいぶん変わるだろうことを実感。

214. 覗き見。

75. この機を逃せば、足を踏み入れること二度と叶わないだろうと、YC&AC館内へ。カウンターには女性がふたり「こんにちは」と声を掛けてくるが、〈必ず英語で入館の意思を〉と赤い本にあるので、「へ…Hello」と言う。瞬間、「あなた、なんなんですか」的な表情を揃ってされる。わたしは挙動不審となり、「あ、えっと、館内を見たいのですが」とチラリチラリと赤い本を誇示しながら日本語で告げる。「えっと、入会希望の方ですか?」と 年配の女性から問われる。ひっくり返っても入会はできないと思い、「いいえ、入会は、きっとできません」と伝え、YC&ACを後にする。

39.219.153.182.57.202. 延々つづく三叉路地獄。YC&ACでの一連をもんもんと思い出す。結果、「なんてよくできた演劇なのだろう!」という結論に至る。つまり、赤い本によって与えられる「演劇」によって、当然YC&ACへ入館できるものだとわたしは考えていた。それを「そんなの虚構ですよ、馬鹿ですか?」と突き返され(あくまでも心象風景)、己の現実に立たせ、「いいえ、入会は、きっとできません」とわたしに言わせた。その宣言も含めて計算された「演劇」であったのだ! 三叉路はつづく。

160. 気付けば、樹々が鬱蒼と囲う坂を下っている。

190. そうして、なんだか腹が減っている。

67. なにか食べようと根岸駅へ。そもそも16時からはジェコ・シオンポのダンスを観る予定。集合は根岸駅。

41. 駅前の東急ストアで20%OFFのシールが貼られたパンを購入。外で食べる。それでもあと1時間くらいあるので、マックでコーヒーを求める。隣席の母(30代)娘(たぶん小2)がしゃべっている。娘が「男の子の気持ちってわからないよねー」とたわいもなく母に告げる。

200. バスに乗ってのジェコ・シオンポのダンスは、個人的にはとても楽しめた。バスを降りると、もう夕暮れ。目の前には黄色くやわらかい光に囲まれたメリーゴーランド。この作品の演出家も同じバスに乗り合わせていて、「200.へどうぞ」と誘われて、赤い本をめくる。

井上 明子

【自己紹介】
今回は「西」方面へ。その都度選択した方角がだいたい「西」でした。


【冒険の記録】
▼122
直感で西へ。紅葉がきれいで、こっちに来てよかったと思った。3組の犬の散歩とすれ違う。頂上は見晴らしがよく、天気もよかったので晴れ晴れとした気分になる。

▼76
神社が気になったので、下ってみた。

▼2
縁結び・縁切りの神様がいたので、掲示板をよく読む。イザナギが黄泉の国の醜さにあきれて別れる時に振りはらった裾から生まれた神様とかいてあったような…。
とりあえず、縁切りよりは縁結びかな…と思って左回りにまわる。

▼120
神社前の公園でベンチに腰掛けてみる。オレンジ、茶色、黄色の落ち葉が秋を物語っている。オースターの「ムーン・パレス」で主人公が浮浪者生活を送っていたセントラルパーク(行ったことないけど)をだいぶ小さくしたいい感じの公園だなとおもった。その主人公がおくった日々を想像してしばらくベンチに座った。遊んでいる子どもたちとその親をぼんやりと眺め、発起して大通りへ。

▼178
とりあえず、西。「ニの谷」へ この辺り(だったかな…)で、本牧っぽいアメリカンな飲食店をみつけてすごく気になったけど、お腹がすいていないのであきらめる。

▼95
西の「間門交差点」へ。一区間だけどバスにも乗ってみた。

▼59
西へ。大小ある2つの道。大通りは左に工場みたいなのが見えてそれはそれでよかったけど、今回は小さい方を選んでみた。一気に視界がせばまる。でもなんか安心感もある。

▼211
やたらとある鳥居をみてお参りをし、レトロな床屋のある西へ。

▼92
本当にあった、床屋の裏に神社…!夜いったら怖そうだ。
まだあるとのことなので、さらに西に歩いてみる。

▼36
またも西へ。お腹がすいたところでみつけた喫茶店でランチを食べる。
ご夫婦(多分)で営むコーヒーにこだわっていそうな喫茶店。
ランチは週変わり(だったかな…)のハッシュドビーフだった。上品な味。
食べながら冒険の書を読む。

▼63
白滝不動尊という名前が気になったので、また西へ。

▼45-144
白滝不動尊では、町内のおじさん、おばさん、おじいさんたちが落ち葉のお掃除をしてくれていた。糸のように細い滝を少し眺めてから急な階段を登ってお参りをする。上に行くか迷ったけど、もういっかい滝をみたくなったので、くだってからやっぱり西へ。

▼86
西へ。根岸小学校裏の高台。もしかしたら道に迷ったかも…。この辺りで写真をとった。

▼186
急な坂道って、この階段のことかな…と不安になりながらもとりあえず下ってみる。方向音痴のため自信がなく、通りすがりの方に根岸駅方面への行き方をたずねると、この近くだと教えてくれた。和服のちゃきちゃきした雰囲気の素敵な方だった。
次の予定まであまり時間がなかったので、根岸駅へといそぐ。

時間の関係で、残念ながら冒険はここで終了。
よく歩き、いつの間にか色づいていた紅葉を感じ、秋の空気を意識して吸い込んで歩いたら気持ちよかった。もうすこし冒険の書を読み進めると、気になっていた馬の博物館がでてきたので、しまった、行きたかった…と思った。それは、別の機会にいってみます。


【写真】
普段あまり写真を撮らないのですが、路地をまがった瞬間にみえた景色に、ふと懐かしさを感じて撮った一枚です。

2014年12月1日月曜日

ライアン

【自己紹介】
30歳、男、仏国在住日本人、テクスト作者様の後輩の後輩。


【冒険の記録】
++++++++++++++
▼1(13時)
受付終了ぎりぎりの13時にスタートする。いつも通り。

▼150
建物の外へ。本牧はよく知る土地にもかかわらず、非常にわくわくする。若干の悔しさと共に覚えたあの感じは忘れ難い。

▼187
本牧地区センターと中図書館、約20年ぶりに訪れる。

▼38
よく知るつもりの地で「あなたはストレンジャー」と言われるのは面白い。実際そうだ。

▼128
白い家、ずっと昔に聞いたような聞いてないような。え、コミュニティハウスなんてあるの?

▼171
大鳥中学校、バス停ではよく聞いた名前だけど、入るのは初めてだ。

▼207(~14時)
ここっていつからあるんですか。えっ20年前以上前から。いや全然知らなかったですよ。ああ、やっぱりそうですか。あ、僕はこれのテクスト担当されている方の少しだけ後輩で、面識はほぼないんですけど、え、今そこに来た人ですか!?
なんと いしがみなつきがあらわれた!

▼171
海側に行こう。

▼10
割と適当に歩いているので正しく進んでいるかは微妙。

▼127
正しく進んでいるかは微妙だけど横浜本牧駅に行こう。

▼3
横浜本牧駅まで着いてないけどバスで本牧車庫行っちゃおー。

▼15
いや久し振りに来たな本牧車庫。

▼221
外の人は横浜や本牧にこういうのを求めるのかな。

▼15
そういやバス散々使ったけど忘れ物したことないかもな。傘くらいあるかな。

▼100
こっちのほうが車庫っぽい車庫っぽい!

▼105
あ、105系統来た。え何ミスター本牧って。えー106系統がシャドウ本牧って。俺的には桜道がメインだけどなー8系統だって通ってるしさー。

▼142
ようせいのいたずら、ようせいのいたずら……あった!
というわけで、海外の日本人宿で出逢った人「のお姉さん」がいらっしゃると聞いていたケーキ屋さんへこの機会に。お3時を美味しくいただきました。突然お邪魔してすみません、ありがとうございました!

▼55
山頂公園って行ったことねえな。

▼50
あ、はい。

▼76
へー山頂公園こんな感じなのかー。
めっちゃ犬連れのひと多いなー。お、夕焼けとススキと工業地帯の写真撮ろう。

▼126
覚悟しよう。

▼114
緑ヶ丘高校ってこれかあ。このへん公園多いなー。

▼222
そろそろ終わりだ。222系統楽しむか。うわめっちゃ急で細い坂通るなこれ!

▼200
横浜方面へバスで戻るべく上野町へ向かい、終了。楽しかったなあ。やっぱり知らないところあるなー、いい機会だった。

【写真】
(1)コミュニティハウスで(本イベントと全く関係ない)情報を手に入れた!
(2)横浜で産まれ30年、初めて行った本牧山頂公園が良かったの図。
なお「京浜工業地帯。」とフェイスブックにアップしたら普段と打って変わって多くのいいねをいただく。本牧パワー。